今回は、世界最大規模金融機関HSBC証券前代表取締役社長で、現在は京都橘大学客員教授の立澤賢一さんに世界情勢や、投資について教えていただきます。
本日の講義内容
- ポートフォリオを組む時に気を付けること!
- 世界経済の見るべきポイント!
- 今後の成長産業がわかる!
日本の政治は外部(アメリカ・中国)に左右されやすい。今はもの凄い変化している。
【前回の復習】投資の前に三種の神器を身に着けよう!
- お金の未来年表…100歳までのライフステージを考える。いくら必要?
- 収支表…収入と支出の管理できてる?
- 資産と負債表…住宅ローンは負債。完済して貸しているなら資産。
立澤さんの「知っておくべきおこぼれ話」を後半に書きましたので最後までお読みいただければと思います!
①ポートフォリオを組むポイント
【時間軸を見る】
たとえば現在40歳とした場合を想定します。
- 3000万円の家を買う
- 70歳までローンを支払う
- 65歳まで定年
- 5年間収入がなしでローンを払う可能性がある
25年後(65歳の時)に資産価値が上がるものを見極めよう!
ポイント!
★短期で資産価値が2倍になっても売らない
★長期視点をもつ
65歳で仕事を引退したときに現金化できるように。短期運用と長期運用をわける。短期用ででた利益で家族旅行などはOK。長期用は老後と考えて動かさない。
また、ライフステージや年齢によってこのポートフォリオを変えてもいい。20代は損しても稼げるなら取り戻せる。ケガしてもすぐ回復するのでアグレッシブなポートフォリオでもいい。
60歳以降になり働けない場合は、安全資産を大きくしてもいい。
個人差はあるけど、人生の中で弱点になる時期っていうのはあるはずなので、長期視点をもって備えをしておくこと。
②日本株への投資
1997年から所得は下がっているし、日本経済は横ばい。中国は16倍成長しアメリカは8倍も成長している。イギリスやドイツでも3倍成長しているのに、日本は1.1倍。成長していない日本株が上がるわけがない。どうせ買うなら成長している国の株を買うこと。
新機軸とアメリカが鍵を握る
【日本の今の経済】可処分所得が下がっている⇒購買力が低下 ⇒企業の在庫が残る⇒企業の収益低下⇒賃金の低下 負のループが起きている。
ポイント!
★2028年アメリカのGDPを中国が抜くとイギリスのシンクタンクが報告
★アメリカが中国を抑えるために同盟を作る
日本がこれにより、財政拡大になれば投資対象になる可能性もある。が、緊縮財政中(国がお金を使わない状態)は、経済に勢いはない。投資の対象にはなりにくい。
経産省が「やっぱりお金を使おう!経済を回そう!」と言っているけど、財務省は「マイナスを正常にしよう!」と意見が対立している状態なので、もし新機軸ができ、縮小している経済にまたお金が使われることになれば少し右肩あがりになる可能性はある。
また、今は米中覇権戦争中で、中国を抑えるためにアメリカは、日本やインドなどと同盟国を作り、その同盟国の経済力があがれば中国を封じ込められるのでは?と考えている。
③米国株への投資
30年でダウ平均が10倍
国の経済成長力を見るべき。なんでもいいから株を買えばいいというわけではない。10年先が読めない時代なので国の成長率は見ておくこと。
【国有銘柄への投資が難しい場合】米国株ETF・S&P500・ダウ平均を検討。
④今後の成長産業
【宇宙産業・AI・水・飲料】
内閣府が出しているムーンショット目標
・2030年までに1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターをアバター1体の場合と同等の速度と精度で操作できる技術を開発しその運用などに必要な基盤を構築する。
・2050年までに複数の人が得遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。
え?どういうこと?
21世紀のこれから「食料危機」
【飢餓人口の増加】世界の人口は、このままいくと100億人になると言われている。間違いなく水不足・食料不足になるので、水と食料の需要が増してそれに関連する企業は生き残る。21世紀は「宇宙・AI・水・食料・」の時代。
まとめ
- 時間軸を見る
- 長期視点を身につける
- 右肩上がりの経済・国に投資をする
3番目が一番難しいのでしっかり勉強をしよう!でも今回の講義でかなり理解できましたね。今、現時点での話なので、米中覇権争いによっては、状況がどう変わるかはわからないので、情報収集は必須ですね。
立澤さんが生徒の質問に答えるコーナー
Q:海外移住するときに気を付けることはありますか?またおススメ先は?
A:英語はどこ行っても伝わるので勉強しておくといい。移住する国に何回もいってから移住するか決めること。文化が違うからマレーシアのクアラルンプールとかだと早朝に爆音でお祈りが始まることがある。
親日国パラオだと日本語が少し通じる。マレーシアも親日国なので気楽。言葉が通じない白人の国は、少しマイノリティ側になるからしんどいかも。
Q:Amazonが暗号資産を導入するなどのニュースが流れたのですが暗号資産は今後どうなりますか?
A:「通貨を制する者は世界を制する」通貨を制しようとした大統領はアメリカならリンカーン・ケネディ・ガーフィールドが暗殺されている。ジャクソン・レーガンは殺害未遂。この5人に共通するのは連邦政府で通貨を出そうとしたこと。
リビアのカダフィ大佐も金にリンクした通貨を作ろうとして暗殺された。
政府が通貨を発行せず、結局は民間銀行がドルをコントロールしている。(←ここの件については立澤さんは多くを語っていません。ご自身で調べてくださいね。)
暗号資産は、まだ通貨程強くない。支配力があるわけではないけど今後幅きかせたら、それをよく思わない民間銀行は暗号資産を支配しに介入しようとするかもしれない。支配された場合は暗号資産も資産にできるかもしれないけど、反抗した場合はどうなるか・・・
投機としてやるなら今やってもいいかもしれない。通貨になると安定するから。
Q:日本を大国にするにはどうすればいいですか?
A:一人当たりの生産性をあげる。このままだと韓国に負ける。半導体も韓国に取られてるし、楽天も中国のテンセントが投資してるし、もっと最悪なのがデジタル庁がAmazonのicloud・AWSを使用して個人情報を管理することを政府が決めた。
どういうことか?!日本政府が圧力をかけられないアメリカの私企業に日本人の個人情報がゆだねられてる=日本人のデータが一企業にすべて抜かれるかもしれない。
おそらく経済大国には日本はなれないと思う。せめて上位5位。
立澤さんの知っておくべきおこぼれ話!
【中国共産党の習近平の動きについて】約9600万人(2021年6月現在)を人口(約14億人)で割ると、人口の6~7%、中国人の約15人に1人が中国共産党になる。そのトップが習近平。もしかするとずっとトップでいようとしている?
その中の「江沢民派閥」は上海の上海閥との関係が深い。香港の金融市場も江沢民の域がかかっていて、派閥としては強く、習近平は恐れている。彼の力をそぎたいがために、中国でアメリカ企業が上場できなくなっている。塾や教育関係が封じ込まれている。(←なぜ教育関係を主に狙うのか?についても立澤さんのYouTubeで話されていますのでご確認ください。)
アリババも株半減し社長のジャックマーも退任させたれ、テンセント(ソフトウェア系)の社長も同時期に退任させられている。
中国の「BATH」(アメリカでいうGAFAのようなもの)の4社が力を持ってきている。
- Baidu(百度、バイドゥ)
- Alibaba(阿里巴巴集団、アリババ)
- Tencent(騰訊、テンセント)
- HUAWEI(華為技術、ファーウェイ)
これらの民間企業を中国共産党は国営化しようとしているかもしれない。過去にロシアのプーチン大統領が同じような事を行っていて、ロシアの民間企業を牛耳っていたユダヤ系オリガルヒを国外追放して国営化している。
中国共産党は、技術研究も国が17つ指定大学を指名し、国営化される企業と、中国共産党が息のかかる中で技術研究を行おうとしている。でもこの方法だと中国国内での競争力が低下する可能性もある。
以上。最後までお読みいただきありがとうございました。
この講義の内容は社会人のためのオンラインビジネススクールUR-Uの毎週木曜日にあるゲスト講師によるライブ講義の内容です。
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